2020年9月からスタートしたコミュニティ型広報勉強会「みんなで広報会議」では、毎回様々なテーマでメンバーの事例共有、悩み相談などを行っています。
2023年3月の31回目のテーマは「3社のホームページの悩み相談」でした。その時の学びの一部をご紹介します。
最初のメンバーの悩みは、忙しくてホームページの更新ができないこと。
そんな時有効なのは、半年に1回くらい案だけを出す、ブレストの時間を持つこと。1つずつ記事を考えるのではなく、こんなようなことを書いたらいいよねっていうタイトルだけを半年分先に決めてしまうことです。
そうすると、各月のテーマの重なりもわかるので、比較的迷わずに作りやすくなる。先に書く内容が決まっていると、それより前の期間も、頭のどこかに引っ掛かり、こういう写真を撮っといた方がいいとか、ある程度事前段取りが進んでからその月を迎えることができるので、質が高いコンテンツになりやすい。
また自分の意思だけに頼ると、先延ばしのリスクが高いので、お尻を叩く人をちゃんと作っておくことも大事です。
PRリンクもその効果を実感していますが、ホームページのコンテンツを充実すると、自分のフィーリングが合う人の問い合わせがぐっと増えます。
会って時間をかけて自分たちが説得するのではなく、来てくれる人が時間をかけて読んでくれて、熱量を持った状態で来てもらうためのツール。なのでこの人たちと付き合ったら面白いといかに思ってもらえるかがポイントです。
情報を読み込んだ上で来てくれると、話が進む可能性も高く、精度もあがる。逆に言うとあまりホームページに関心を持たずに来る人は、長時間話が続かないのでフィルターがかかる。
中小企業はあれもこれもできないし、一社でできることは限られるので、何をやるか、誰とやるかのフィルターをかけるホームページコンテンツの役割はますます重要になってくると思います。
2社目の悩みは、誰に向けたサイト、コンテンツなのかがあまり整理できていないので、ページに訪問した人が見たいところにちゃんとたどり着けているか心配だというもの。これはいい会社、想いの強い会社あるあるです。
この悩みを解決する方法は、サイトの全体マップを作ること。サイトマップをつくり、ここは採用、ここは仕入れ先、ここは販売先に見てもらいたいなどと分け、自分たちでこまめに更新する部分、一年に一回更新する部分というように、整理すると全体を俯瞰的に見られるようにする。そして3ヶ月、半年、1年ぐらいのスパンで何をどう成長させていけばいいのかを、サイトマップを見ながら考えていく。
誰に何を伝えていきたいのかっていうところをきちんと整理していけば、おのずと一番大事なナビゲーションの部分にも何を入れなければいけないか、逆に何がいらないかが見えてきます。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析を使うことで、見てほしいページに来てもらう流れをつくることも可能です。発表企業の例では、扱う商品を実際に試して比較したページが人気で、伝えたい会社の想いのページがなかなかみてもらえないとのことでした。
そんな時は、その人気ページの最後に、私たちはこんな思いでやってるからこんな記事を書いているとか、こんな商品を扱っているという理由を書き、そこから想いのページにリンクを張ると、少しでも誘導できます。
またアクセス数の多いページをより充実させていく、ほしい情報を起点にコンテンツを厚くしていくことも有効です。
3社目の悩みは、採用サイトを作っているが、採用になかなかつながらないこと。専門家のアドバイスは、エントリーまでのハードルを下げるということでした。
この会社は、「応募お待ちしてます」しか次のアクションにつながるものがなく、ハードルが高い。例えば、オンライン説明会や、会社見学などは少しハードルが低いので、応募までのステップを作る。会社見学は、職種ごとに複数のプランを作ることもいい。職場の雰囲気や社員の関係性がいいのであれば、それを見てもらう機会は効果的です。
あとは、新卒向けでは、親の目線に立ち、業績が右肩上がりに成長しているとか、この会社は大丈夫だと安心するコンテンツも大事です。
発表した会社は、勤続年数の長いことも特徴なので、直球で書くのではなく、長く働いてる理由を教えてくださいとか、勤務年数によっての仕事内容の変化などを時系列で見られるようにするなども効果的です。
みんなで広報会議は、各社の経験を共有することで、自社だけで試行錯誤するよりも、早く経験値を積み上げることができます。最近は各社の事例発表だけでなく、広報に関連した分野の専門家にアドバイスいただくことで、単なる相談ではなく、解決につなげる方法を掘り下げています。
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